【研究所訪問】カウコ・ライティネン フィンランドセンター所長の来訪 (2016.8.19) 報告記事を掲載しました2016/08/22
カウコ・ライティネン フィンランドセンター所長のHIJAS訪問
2016年8月19日(金)、駐日フィンランド大使館内にあるフィンランドセンターの新任所長となったカウコ・ライティネン氏がが法政大学国際日本学研究所(HIJAS)を訪問しました。
フィンランドセンターは、フィンランドと日本の学術・文化交流において、両国の架け橋となっている組織で、文化・学術・教育・テクノロジー・ビジネスなどの分野において、それぞれの対話を築き、よりよい関係を構築しています。
ライティネン氏は学生時代に日本に5年間留学していたことがあり、また1980年代と90年代に、広報文化参事官として駐日フィンランド大使館に勤務したこともあるため、大の日本通です。また今回の赴任直前までは、ヘルシンキ大学孔子学院院長の職にあり、中国語にも精通しています。赴任後は日本だけではなく、アジア各地域とフィンランドとの関係をよりよいものにしていきたいとの抱負を述べられました。
今回訪問は、HIJAS所長の小口が研究代表を務める平成27年度~平成30年度科学研究費補助金(基盤研究(B)海外学術調査)「諸国探検隊収集・欧亜諸国保管西域出土史料の包括的再点検による東アジア史料学の革新」の中心テーマが、フィンランド初代大統領ともなったマンネルヘイムが、中央アジア探検において蒐集した吐魯番文書であって、HIJASの電子図書館中の「在ベルリン吐魯番出土漢文世俗文書総合目録」と深い関係にあること、ライティネン氏自身がマンネルヘイムとアジアのかかわりに興味を持っておられ、謎が多いマンネルヘイムの日本滞在の実態を知りたいと言うことから、実現したものです。また同じくHIJASの中心事業の一つである「在欧博物館等保管日本仏教美術資料データベース」中のフィンランド関係の美術品についての情報提供も目的としていました。
マンネルヘイムに詳しい東海大学片山章雄教授も駆けつけてくれて、3人の会談は長時間に及びました。今後のマンネルヘイム関係の調査研究をめぐって相互に協力関係を築いていくこと。また来年度に予定されているマンネルヘイムをめぐる国際シンポジウムにもライティネン所長自ら講演をしていただくことなどが話し合われ、有意義なものとなりました。
【記事執筆:小口雅史(法政大学国際日本学研究所所長)】
右より:カウコ・ライティネン氏、小口雅史氏