【開催報告】第1回ヨーゼフ・クライナー博士記念・法政大学国際日本学賞授賞式および記念講演会(2015.12.12)2015/12/20
第1回ヨーゼフ・クライナー博士記念・
法政大学国際日本学賞授賞式および記念講演会
日時:2015年12月12日(土)13時30分~16時30分
場所:法政大学市ヶ谷キャンパスボアソナード・タワー3階 マルチメディアスタジオ0300
司会:小口雅史(法政大学国際日本学研究所長、文学部教授)
2015年12月12日(土)、13時から16時10分まで法政大学市ヶ谷キャンパス3階マルチメディアスタジオ0300において、第1回ヨーゼフ・クライナー博士記念法政大学国際日本学賞の授賞式と記念講演会が行われました。
本賞はヨーロッパを代表する日本研究者であり、法政大学国際日本学研究所(HIJAS)の設立以来、その発展に貢献してきたヨーゼフ・クライナー博士の功績を称え、若手の海外日本研究者の活動を奨励する目的でHIJASが2014年に創設したものです。第1回となる今回は、期待に応じて世界各国から応募があり、厳正な審査の結果、2015年10月にマルコ・ティネッロ氏(ヴェネツィア大学カ・フォスカリ)への授賞が決定しました。
小口雅史所長の総合司会で行われた授賞式では、ティネッロ氏に対し、田中優子総長より正賞の賞状と副賞が授与されました。
その後の記念講演会では、最初にクライナー博士が「日本研究にとって沖縄学とはなにか」と題して講演し、東京大学東洋文化研究所に留学した際に石田英一郎から琉球研究を、柳田國男から奄美の研究を勧められた逸話や、その後の自らの日本研究での取り組みを通して得られた、「沖縄を通して日本を見るだけでなく、沖縄そのものを知ることで日本のことがよりよく分かる」という日本研究における沖縄学の重要性が指摘されました。
次いで受賞記念講演としてティネッロ氏が受賞論文「琉球使節の江戸参府から見る幕末期日本外交の変化―近世から近代へ―」に基づく講演を行い、幕末期の琉球使節が持つ意味を検討するとともに、琉球の政治的な位置を中心に日本の外交を考える場合、幕府・薩摩藩・清朝・西洋列強の歴史が連動していたことを史料に基づき実証的に検討した結果を報告されました。
なお、HIJASでは第2回目の募集も行いますので、より多くの方の応募をお待ちしています。
【記事執筆:鈴村裕輔(法政大学国際日本学研究所客員学術研究員)】
右より:田中優子総長、ティネッロ・マルコ氏、小口雅史所長
基調講演:ヨーゼフ・クライナー氏
受賞記念講演:ティネッロ・マルコ氏
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ヨーゼフ・クライナー博士記念・法政大学国際日本学賞
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