カーロリ氏を迎えての国際日本学研究所特別セミナー(2008.8.4)

「The making of Japanese:Assimilation policy in Okinawa and in Hokkaido」              (「日本人を作る—沖縄と北海道における同化政策」) 

報告者    ローザ・カーロリ 氏 (ベネチア大学東アジア研究所教授・法政大学国際日本学研究所客員所員

  • 日 時   2008年8月4日(月)14時00分〜16時00分 
  • 場 所    法政大学市ケ谷キャンパス 58年館2階国際日本学研究所セミナー室
  • 司 会   安孫子 信 (法政大学国際日本学研究所所長)

 

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8月4日(月)の14時から16時まで,2時間にわたって,法政大学国際日本学研究所セミナー室で,ローザ・カーロリ氏(ベネチア大学東アジア研究所教授・法政大学国際日本学研究所客員所員)を迎えての特別セミナーが開催された.まずはカーロリ氏から,“The making of Japanese: Assimilation Policy in Okinawa and in Hokkaido”(「日本人を作る—沖縄と北海道における同化政策」)の題で講演がなされ,引き続いてそれを受けての熱心な討議が行われた.

明治初,廃藩置県によって,それまでの村落・藩意識をやぶる日本人意識の形成が課題となっていったが,このことは,それまでは‘日本’とみなされておらず,今,新たに行政的に日本に組み入れられることになった沖縄と北海道とでは,特別な困難を伴うことであった.カーロリ氏は文化的同化という,この困難な過程が,沖縄と北海道の両地域でどのように遂行されていったかを,まずは両地域の差異を浮き彫りにする形で説明して下さった.両地域では人口,経済水準,文化水準といったあらゆる面で差があって,日本への同化とそれが生み出す諸問題も,同様には語れないのである.しかしその上で示唆されたのは,両地域でともに根底にあったのは日本人による植民地化ということだったのであり,それゆえに,沖縄人・アイヌ人は日本人との間にsameness以上にothernessを持ち続けることなったということ,そして,それが戦後近年において,沖縄人・アイヌ人による自文化アイデンティティー再確認の動きを引き起こしているということであった.

以上当日のカーロリ氏の講演は,近刊の研究所成果報告集『国際日本学』に掲載される予定である.       

                          【記事執筆:安孫子 信(法政大学国際日本学研究所所長、文学部教授)