【開催報告】日韓連帯文学フォーラム「文化・文学でつながる、韓国と日本」(2019年11月29日・30日)2020/05/26

日韓連帯文学フォーラム「文化・文学でつながる、韓国と日本」

◆前夜祭
日時:2019年11月29日(金)18時30分~20時
場所:法政大学市ケ谷キャンパス 富士見ゲート6階 G602教室
◆フォーラム
日時:2019年11月30日(土)10時~17時30分
場所:法政大学市ケ谷キャンパス 富士見ゲート2階 G201教室

■主催:法政大学国際日本学研究所
■後援:日本近世文学会

■実行委員会:加藤敦子(都留文科大学)・小林ふみ子(法政大学)・染谷智幸(茨城キリスト教大学)・
中沢けい(法政大学)・韓京子(はん・きょんじゃ 青山学院大学)〔五十音順〕。

前夜祭では田中優子本学総長のあいさつに続き、佐藤悟氏(実践女子大学)、入口敦志氏(国文学研究資料館)、金美眞氏(きむ・みじん 韓国国立芸術総合学校)、横山泰子氏(法政大学)らからお預かりしたメッセージなども紹介しつつ、実行委員会メンバーが、今、韓国の文化への関心を深めることの意義、現在の関心などを語りあった。

翌日のフォーラムでは、小峯和明氏(立教大学・中国人民大学)による基調講演「東アジアにおける日韓の文化・文学」において、東アジア各国・地域の文化・文学を単純な影響・受容ではなく相互の関係性のなかで考えることの重要性が説かれたのち、以下の研究発表が行われた。袴田光康(静岡大学)「『三国遺事』における檀君神話」、金蘭珠(きむ・なんじゅ 檀国大学校)「韓日芸能のなかの翁と嫗―タルノリと白山郷土芸能の比較を通して」、遠藤星希(法政大学)「茶を詠んだ漢詩―韓国の喫茶文化」、鄭敬珍(じょん・きょんじん 東京福祉大学)「日韓を越えること―1764年作《蒹葭雅集図》の例から」、崔泰和(ちぇ・てーふぁ 群山大学校)「江戸の戯作と京城の色摺り“タクチ”(=メンコ)草紙」。資料の解釈をめぐる立場性の問題、芸能や文芸の異なる由来をもちながらもよく似た性格や展開、日本ではあまり知られていない朝鮮時代の文化、日韓の交流の歴史的なあり方などについて、多面的に、両国の歴史的な文芸文化について知見を深め、親しむことができた。

その後、河明樹(は・みょんす)氏による朝鮮の伝統楽器をもとに開発された小奚琴(そへぐむ)の演奏、そして中沢けいと翻訳家きむ・ふな氏による韓国の多様な現代文学についての刺激的な対話が行われ、国という枠組みを超えた現代世界の問題に迫る韓国文学のさまざまな作家・作品を紹介いただいた。

2日間を通じて延べ115名の参加を得て、少なからぬ一般からの来聴者もあった。なお、この催しについては『統一日報』2019年12月11日号で報じられたほか、実行委員の一人染谷智幸氏がブログ記事にまとめられ、田中総長の「総長日誌」同年11月29日・30日記事にもとりあげられている。

あらためて、ご参加くださったみなさま、ご発言くださったみなさまに心より感謝申しあげる。

なお、本事業は「リーディング・ユニバーシティー法政」募金からの資金で実現した。寄付者のかたの篤志に心よりお礼申しあげる。

●『統一日報』2019年12月11日号 5面
http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=86811&thread=01r04
●染谷智幸氏ブログ当該記事
http://someyatomo.seesaa.net/article/471884339.html
●田中優子総長「総長日誌」2019年11月29日・30日記事
https://www.hosei.ac.jp/hosei/daigakugaiyo/socho/diary/2019/11/

【記事執筆:小林 ふみ子(法政大学国際日本学研究所所員・文学部教授)】

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