【開催報告】国際日本学研究所 王敏研究室主催 第二回「平和の実践」ワークショップ-「和平東亜のために」-(2018.7.17)2018/07/26

法政大学国際日本学研究所 王敏研究室主催

第二回「平和の実践」ワークショップ―「和平東亜のために」―
開催報告

■日時  2018年7月17日(火)

■会場  日比谷松本楼本店

■主催  法政大学国際日本学研究所 王敏研究室

今夏猛暑の始まる7月17日、日中友好の象徴である東京の日比谷松本楼にて、第二回「平和の実践」ワークショップ―「和平東亜のために」―が開催された。日本の前首相である福田康夫氏、法政大学日本学研究所王敏研究室、そして中国国際儒学連合会の牛喜平事務局長をはじめとする訪日団一行が参加し、「和平東亜」の理念実践へ日中の学術と人文の交流の深化について議論を交わした。なお、「和平東亜」は、福田康夫氏が6月24日に南京大虐殺記念館を訪問された際、揮毫に選んだ4字である。

中国国際儒学連合会は9つの国と地域の儒学学術の民間組織として1994年に設立され、北京に本部をおき、世界共有の儒学の思想研究、儒学文化の交流を通して人類平和発展を促進することを主旨として活動している。中国国際儒学連合会の会員は63の国と地域に及んでおり、各国の漢学者、儒学研究家を包括している。

中国国際儒学連合会が、2017年に福田康夫氏の編著であるOB首脳サミットの論著『世界はなぜ争うのか』(朝倉書店)の中国語版『十国前政要論「全球公共論理」』(王敏訳、人民出版社)の発刊を支援したことから、両者は深い関係で結ばれている。また同書が広く国際的な新しい視野を以て、10名の政府要人と自身の国政実践経験とを結びつけ、世界の局面変化への対応と思考を記した。様々な問題に直面している中国で同書が大きな反響を呼んでいる。そのため同会は2019年の世界儒学大会において福田康夫氏の基調講演を期待している次第である。

福田康夫氏はワークショップにおいて次のように述べた。

「儒学は日本社会の根本を構築し、同時に日本人の魂のふるさとでもある。今年は日中平和友好条約締結40周年であり、日中の関係は良好と期している。このような両国の正常な関係を維持するためには両国民が互いの理解の元に日中の関係を「高度」に対処していく必要がある。日中両国間には客観的な歴史問題が依然として存在するが、人々にとって幸いなのは儒学を含め、両国の文化の共通性が、両国の相互理解の助けとなっている。これは紛れもなく、両国にとってかけがえのないものである。国家間において、もはや一国のみで発展することは不可能である。習近平国家主席が提唱する<人類運命共同体>の指導思想が欠けているのであれば、「一帯一路」戦略構想の実現も難しくなるであろう」。

学問から平和に向けて行動することが求められている。「平和の実践」の先行者たちは本ワークショップの研究対象であり、その研究成果の一端を記述させたい。「日中平和友好条約」締結の40周年という今年こそ、我々は再度研究という仕事の目標と理念を確認し、より平和な未来へ堅実な研究を創出していかなければならないと考える。

【記事執筆:王敏(法政大学国際日本学研究所専任所員・教授)】

2018年7月17日に開かれた「平和の実践」ワークショップ参加者たちとの記念写真

(後列左から):中国国際儒学連合会事務局長牛喜平、北京外国語大学北京日本学研究センター長郭連友、
中国社会科学院東方文化研究センター事務局長洪軍、中国国際儒学連合会事務局主任李煥梅

(前列左から):法政大学国際日本学研究所教授王敏、福田康夫前首相、
中国哲学史学会副会長・北京大学教授張学智、復旦大学上海儒学院副院長呉震

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