【開催報告】法政大学国際日本学研究所主催 公開研究会 「テキストを眺めて考えるー知識創造につながる探索的情報アクセス技術ー」2024年3月9日(土)2024/03/19
【開催報告】
法政大学国際日本学研究所主催 公開研究会
「テキストを眺めて考えるー知識創造につながる探索的情報アクセス技術ー」
■日時:2024年3月9日(土)10時30分~12時30分
■会場:法政大学市ヶ谷キャンパス 大内山校舎Y406教室【対面・オンライン併用開催】
■主催:法政大学国際日本学研究所
■報告者:
赤石美奈 (法政大学情報科学部教授・国際日本学研究所兼担所員)
■コメンテーター:
小口雅史 (法政大学文学部教授 ・国際日本学研究所兼担所員)
大澤ふよう(法政大学文学部元教授・国際日本学研究所客員所員)
■司会:
横山泰子 (法政大学理工学部教授・法政大学国際日本学研究所長)
本講演においては、知識創造につながる探索的情報アクセス技術として、物語構造に基づき、情報を分解・再構成する知識創造サイクルについて説明し、これを支える基盤技術とその応用について紹介した。
まず、テキスト(文章)に含まれる語と語の間の依存度と吸引力という概念を導入し、これに基づき語と語の関係をグラフ構造として視覚化するツールWord Colonyの仕組みを紹介した。さらに、Word Colonyに基づく知識(文章)の分解技術として、主題遷移解析による分割と主題階層解析による分割手法を紹介し、既存の知識(文章)を異なる観点で分解する技術を示した。次に、分解されたテキスト断編を場面連結技術で結合する知識の再構成と、体系的に知識の階層を再構成する手法について述べた。
以上を基盤技術として、様々な文章を分解・再構成する応用事例を紹介した。編年型史料である歴史史料に適用することにより、戦や贈答などの様々な視点から人物関係の変化を示したり、概念自体の経年変化を視覚化できることを示した。また、中世・近世の公卿補任のデータを官職と位階の2つの観点から視覚化し、人や家や時代による昇進パターンの変化を視覚的に見せることを可能とした。これらの例を示すことにより、歴史学における常識的な事柄を検証したり、新しい仮説の発見を支援するツールとしての可能性を示した。
【執筆者:赤石美奈 (法政大学情報科学部教授・国際日本学研究所兼担所員)】
【報告者:赤石美奈氏】 |
左より【報告者:赤石美奈氏】 【コメンテーター:大澤ふよう氏】 (法政大学文学部元教授 ・国際日本学研究所客員所員) 【コメンテーター:小口雅史 氏】 (法政大学文学部教授 1・国際日本学研究所兼担所員) |
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