【開催報告】法政大学国際日本学研究所主催・都市史学会後援 合評会『「身分」を交差させる-日本とフランスの近世-』 (2024年1月20日(土))2024/05/08

【開催報告】
法政大学国際日本学研究所主催・都市史学会後援
合評会 「身分」を交差させる 日本とフランスの近世


 

■開催日時 : 2024年1月20日(土)15 :30~19 :00

■開催場所 : 法政大学九段北校舎3階第1会議室

■評今日者:岸本美緒  (お茶の水女子大学名誉教授)

■評今日者:江川温   (大阪大学名誉教授)

■評今日者:横山百合子 (国立歴史民俗博物館名誉教授)

■司司会会:佐々木真  ( 駒澤大学 文学部 教授)

■司司会会:高澤紀恵  (法政大学国際日本学研究所兼担所員・文学部教授)

 

日本とフランスの歴史家による共同研究の成果である『「身分」を交差させる——近世の日本とフランス』(高澤紀恵、ギヨーム・カレ編、東京大学出版会、2023年)をめぐり、去る2024年1月20日、法政大学国際日本学研究所主催、都市史学会後援の合評会が開催された。評者は、中国近世史の岸本美緒氏、フランス中世史の江川温氏、日本近世史の横山百合子氏である。編者のひとりギヨーム・カレ氏(フランス社会科学高等研究所、日本近世史)はパリから、またやむを得ざる事情で森下徹氏(山口大学、日本近世史)は山口からZoomで参加したが、司会の佐々木真(フランス近世史)と高澤(フランス近世史)はじめ、吉田伸之(東京大学、日本近世史)、竹下和亮(東京外国語大学、フランス近世史)、松本礼子(専修大学、フランス近世史)、塚田孝(大阪公立大学、日本近世史)、吉田ゆり子(東京外国語大学、日本近世史)、芹生尚子(東京外国語大学、日本近世史)、小野将(東京大学史料編纂所、日本近世史)ら日本側の執筆者諸氏は三人の評者と会場で円座を組み議論を交わした。

三人の評者による鋭く重い問いかけや刺激的な論点提示を受け、ディスカッションは3つのパートで行われた。第一のパートでは、本書が掲げた「交差」について編者のギヨーム・カレと高澤紀恵が見解を示した。第二のパートは、評者から出された個別の論点に答えつつ、本書に関わる中でなにが揺らぎ、どこに新たな課題を見出したのかを各執筆者が語った。さらに第三のパートでは、日本側執筆者の共通の参照点となっている二宮宏之氏の「社団的編成」モデルについて、フランス史の竹下氏と松本氏が発言した。最後に三人の評者からコメントや提言を得て合評会を終わった。久々に対面での議論はきわめて濃密かつ有意義なものであった。分野を超えた熱心な参加者を得たことも、幸いであった。なお議論の詳細は『歴史学研究』2024年8月号「批判と反省」に掲載される予定である。

(執筆者:法政大学国際日本学研究所兼担所員・文学部教授 高澤紀恵)


【会場の様子】

【会場の様子】

 

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