第4回研究会(2011.5.21)

法政大学国際日本学研究所の「国際日本学の方法に基づく<日本意識>の再検討—<日本意識>の過去・現在・未来」プロジェクトのアプローチ1
「<日本意識>の変遷—古代から近世へ」第4回研究会 報告

アプローチ1「<日本意識>の変遷—古代から近世へ」2011年 第4回研究会


日  時 :   2011年5月21日(土)13:30〜15:00

会  場 : 法政大学市ヶ谷キャンパス 国際日本学研究所セミナー室

司  会 : 田中 優子 (法政大学社会学部教授)

司会:

 司会: 田中優子 教授

会場の様子

会場の様子

第4回研究会開催報告

去る5月21日(土)、法政大学国際日本学研究所セミナー室において、法政大学国際日本学研究所戦略的研究基盤形成支援事業「国際日本学の方法に基づく<日本意識>の再検討—<日本意識>の過去・現在・未来」アプローチ1「<日本意識>の変遷」(以下、「アプローチ1」)の第4回研究会が開催された。今回は、科学技術研究補助金「近世日本の大衆文化における「日本」意識の表現—17・18世紀を中心に—」(研究課題番号:22320071)の研究会との併催であった。

研究会では、まず2011年度の活動方針として、アプローチ1の研究体制が確認された。今年度の研究には、田中優子を統括とし、小口雅史(古代)、坂本勝(古代)、小秋元段(中世)、竹内晶子(中世)、小林ふみ子(近世)、横山泰子(近世)、川村湊(近現代)、吉田真樹(日本思想史)、根津朝彦(現代ジャーナリズム史)、鈴村裕輔(近代思想史)が参画し、研究補助として彭丹、高橋寿美子、内原英聡及び法政大学大学院国際日本学インスティテュート博士後期課程に在籍する国際日本学研究所学術研究員が参加することとなった。

次に、2010年度の研究活動の実績が報告された。2010年度は研究会が2回、シンポジウムが1回、特別講演会が1回、映画上映会が1回行われたほか、フルテキストデータベースを活用することで、大学院博士後期課程の学生が特定の言葉を各自の専門領域で検索するようになり、すでに複数の研究論文が成果としてまとめられている。

2011年の具体的な研究活動としては、「国難と日本意識」という新たな研究の課題が提起された。そして、2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震とその後の津波や余震などにより甚大な被害をもたらした東日本大震災後に日本列島に住む人々の間に起きた「震災を国難として捉える」という態度が、「日本意識」の研究対象のひとつとして適切であるとともに、日常の生活で起きている事柄に絶えず注目し、社会と積極的に関わり、社会に研究成果を還元することが、とりわけ「日本意識研究」には重要であることが確認された。その際、「国難の研究」ではなく、比較研究の対象として「国難」を扱うこと、「戦争によってもたらされる国難」と「災害によってもたらされる国難」の区別、「為政者レベルでの国難への対応」だけでなく「民衆レベルでの国難への対応」、「日本では中世までは民衆が持つ情報の絶対量が少ないこと」、「誰にとっての国難か」という点を踏まえることで意見が一致した。想定される研究の項目として挙げられたのは、「蒙古襲来と朝鮮出兵の対比」、「天明の浅間山噴火に関する当時の随筆の内容の比較検討」、「安政の大地震に対する『被災地域外に住む人々』の反応」、「関東大震災と東日本大震災の対比」などであった。

これに続き、2011年度の具体的な研究会の開催予定が検討された。2011年度の研究会の日程は以下のとおりである。

  • 第3回研究会(4月2日(土))、報告者:内原英聡(法政大学)、高山秀嗣(二松学舎大学)…終了
  • 第4回研究会(5月21日(土))、全体討議…終了
  • 第5回研究会(6月25日(土))、報告者:大屋多詠子(青山学院大学)
  • 第2回シンポジウム「日本意識と対外意識」(7月16日(土)、17日(日))、基調講演:ロナルド・トビ(イリノイ大学)、報告者:石上阿希(立命館大学)、岩崎均史(たばこと塩の博物館)、川村湊(法政大学)、タイモン・スクリーチ(ロンドン大学)、大木康(東京大学)
  • 第6回研究会(9月開催予定)、報告者:木村純二(弘前大学)
  • 第7回研究会(10月15日(土))、報告者:マートライ・ティタニラ(早稲田大学)
  • 第8回研究会(11月開催予定)、報告者:未定
  • 第9回研究会(12月開催予定)、報告者:未定
  • 第3回シンポジウム「国難と日本意識」(2012年1月21日(土)、22日(日)開催予定)、報告者:未定
  • 第10回研究会(2012年2月開催予定)、報告者:未定
  • 第11回研究会(2012年3月開催予定)、報告者:未定

なお、今年度も、昨年度に引き続き、大学院博士後期課程在籍者による研究発表を奨励するとともに、必要に応じて大学院修士課程在籍者にも発表の機会を提供することが確認された。

最後に、今年9月に行われる大連民族学院との共催による「大連シンポ」及び11月に行われる「アルザスシンポ」の参加者が検討された。その結果、「大連シンポ」には小口雅史、小林ふみ子の両氏が、「アルザスシンポ」には鈴村裕輔、内原英聡の両氏が参加することが決まった。

以上の内容を踏まえ、2011年アプローチ1の具体的な活動が本格的に始まることとなった。

(以上、敬称略)

【報告者:鈴村裕輔(法政大学国際日本学研究所客員学術研究員)】