〈日中「混成文化」の現代的価値を考える〉講座開催報告(2019.4.19)2019/04/26

日 時: 2019年4月19日(金)20:00-22:00

場 所: 日中友好会館後楽寮内

講 師: 王 敏(法政大学国際日本学研究所専任所員、教授)

題 目: 日中「混成文化」の現代的価値を考える

主 催: 日中友好会館留学生事業部

協 力: 法政大学国際日本学研究所王敏研究室

【講座内容】

儒教と仏教の経典の伝来・流布とともに、日本は漢字文化圏の一員となった。東アジア諸地域が「知」をシェアしているのは、この漢字文化圏が長期にわたって存続してきた理由による。日本文化の特性については、青木保氏は「混成文化」という概念を提唱しており、加藤周一氏は「雑種文化」という言葉でまとめている。日本人の抱えた中国に対する認識は「和魂漢才」にも反映されていると思える。

その一例として、元号が挙げられる。日本は中国の政治制度を受容し、元号制度を導入した。日本最初の元号とされた「大化」から「平成」まで計247ある元号はすべて中国の古典から選ばれてきたが、新元号「令和」の典拠となったのは日本の歌集『万葉集』である。新元号が発表された後、『万葉集』は再び日本全国から注目を浴びた。したがって、新元号を通して日本の古典及びそれが生まれた歴史的文脈に関する知識も国民の間で広まっていくと推察できる。また、元号は漢字文化圏の産物でもあるため、漢字の意味に対する認識も深化されていくだろう。

【記事執筆:王敏(法政大学国際日本学研究所専任所員、教授】

会場写真:前列右から三人目は日中友好会館留学生事業部長の夏瑛氏、四人目は王敏、五人目は日中友好会館常務理事の佐藤重和氏。

 

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