【研究所訪問】函館工業高等専門学校 中村和之教授の研究所訪問(2018.5.26)2018/06/07

日時:2018年5月26日

場所:法政大学国際日本学研究所(HIJAS)

(左より中村和之教授、小口雅史所長)

 

5月26日、函館工業高等専門学校一般人文系・教授で、本年度より本研究所の客員所員としてお迎えした中村和之氏が、本研究所を訪問された。
中村教授は北東アジア史、アイヌ史を専門としておられ、単に北海道にとどまらない、サハリンから大陸沿海地方までをも視野に入れたアイヌ史研究者としてつとに知られている。
今回の訪問は、翌日の日本考古学協会の社会科・歴史教科書等検討委員会での「教科書にある歴史・ない歴史-北海道・群馬・沖縄の実践から-」というセッションにおいて、「北海道の教育におけるアイヌ史・アイヌ文化の位置づけ」とのタイトルで報告するため上京したのに合わせて、本研究所がCOE実施時代に蒐集した北方史関係史資料の調査と、また電子図書館システムで公開している「北方史総合研究文献目録データベース」への今後のデータ提供の協議のためであった。
本研究所の電子図書館システムで公開している様々なデータベースのなかでも、この「北方史総合研究文献目録データベース」はとくに盛んに利用されてきたものである。この充実についてはかねてより学界からの期待も高い。中村教授を客員所員としてお迎えできたことは、こうした期待に応えるためにも重要なことである。
また本研究所が蒐集した史資料はほとんどすべてが「法政大学学術機関リポジトリ」ないし「法政大学国際日本学研究所所蔵資料アーカイブス」において高精細解像度で公開されているが、今回は当研究所のコレクションのなかでも白眉とされる『蝦夷島奇観』を熟覧された。写本の比較レベルになると、紙質や筆致の問題などがあり、どうしても写真だけではなく現物調査がかかせない。今後当研究所の膨大な北方史コレクションを活用していただき、北方史研究のますますの進展に貢献していただければ幸いである。

 

【記事執筆:小口 雅史(法政大学国際日本学研究所所長、文学部教授)】

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