【研究所訪問報告】四川外国語大学日本学研究所長楊偉氏の本研究所表敬訪問(2015.10.23)2015/10/28

四川外国語大学日本学研究所長楊偉氏の本研究所表敬訪問

・日 時: 2015年10月23日(金)
・場 所: 法政大学国際日本学研究所

四川外国語大学日本学研究所長の楊偉氏が10月23日、本研究所を表敬訪問され、王敏専任所員・教授と懇談し、両研究所のこれまでの学術交流の成果をまとめ、2016年度の新しいプロジェクトの協力について意見交換した。

四川外国語大学日本学研究所と本研究所は2008年から緊密な協力関係を結び、研究成果の出版、国際シンポジウムの共催などで次の成果を挙げた。

① 図書出版:
『日本文化論的変遷』(青木保著、王敏監修、楊偉訳、中国青年出版社、2008年)
『多文化世界』(青木保著、王敏監修、唐先容訳、中国青年出版社、2008年)
『詩人黄瀛』(王敏・楊偉監修、重慶出版社、2010年)
『宮沢賢治与中国』(王敏著、唐先容訳、重慶出版社、2010年)
『西南地区日本学的構築』(楊偉監修、重慶出版社、2011年)
『作為区域研究的日本学(上・下)』(楊偉監修、重慶出版社、2013年)
『文化・越境・表象』(楊偉監修、西南師範大学出版社、2015年)

② 国際シンポジウムの共催
2008年から四川外国語大学にて両研究所の共催で以下の国際会議が開かれた(国際交流基金の支援に感謝する)。

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これまでの成果を深化させるべく、来年度、以下のプロジェクトに協力することに合意した。

① 研究成果の出版
『詩人黄瀛与日本現代主義詩歌』 (西南師範大学出版社  2016年3月予定)

② 国際会議の共催
「中日両国を跨る人々の「過去形」と「現在進行形」―黄瀛(注)生誕110年を記念してー(仮題)」(四川外国語大学にて開催、2016年10月に暫定)

注)黄瀛(1906-2005):中国重慶の生まれ。1906年、中国人の父と日本人の母の間に生まれた。幼時、父を喪い以来、北平、天津、青島、東京各所に転転した。青島日本中学校を経て、文化学院に学び、後、陸軍士官学校卒業。1925年「日本詩人」の<第二新人号>で一席となる。草野心平が中国で創刊した『銅鑼』に参加し、『日本詩人』『詩神』などで活躍。陸軍士官学校の卒業旅行の帰途、花巻へ立ち寄り、病床の宮沢賢治を訪ねた。詩集に『景星』『瑞枝』がある。1931年に日本を離れ、南京で国民党軍将校として勤務。敗戦後、中国在留日本人の帰還業務に携わり、一旦中断した詩作を再開したが、人民解放軍に拘束され、文化大革命中は11年半にわたり、拘留された。62歳から四川外国語大学で日本文学担当の教授として教壇に立った。2005年7月重慶市内の病院で死去。

【記事執筆:楊偉(四川外国語大学日本学研究所長)、王敏(法政大学国際日本学研究所専任所員、教授)】

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左より:楊偉氏、王敏氏(写真の人物が晩年の黄瀛氏)

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